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【第11回】保険の節税で年率10%以上のリターンが可能に!? おすすめの節税方法① -保険編- 

こんにちは、STAMです。ブログをご覧いただきありがとうございます。今回は、おすすめの節税方法①として、『保険』についてご案内します。これまでのブログでも保険による節税効果について多少触れてきましたが、保険は節税の基本になりますので、ぜひこの機会に理解してください。

1.保険の節税とは

前回のブログでご説明したとおり、節税(所得税)は、給与所得から差し引く各種所得控除額を大きくすることで、課税所得(所得税率を計算する際の所得)を少なくすることがポイントです。この各種所得控除は全部で14種類あるのですが、その中で自らの判断で控除を利用できるもののひとつが生命保険料控除です。生命保険料控除では、保険の種類別に一般生命保険・個人年金・介護医療保険と3区分されており、控除額は以下のとおり各4万円、合計12万円(平成23年以前は異なります)です。

f:id:STAM:20151209001538p:plainそして、保険料払込金額に対する控除額は以下の表のとおりです。

f:id:STAM:20151209001943p:plainつまり、一般生命保険、個人年金保険、介護医療保険のそれぞれにおいて8万円以上の保険料を払った場合に、合計最大控除額である12万円の節税が可能となります。この節税のインパクトがどれほどのものなのか見ていきましょう。

2.節税金額はいくら?

では実際に節税金額を計算してみましょう。仮に課税所得額が400万円だとしましょう。所得税率は以下の表で計算できます。

400万円×20%-427,500円=372,500円

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もしも、生命保険料控除をフルに活用した場合、

(400万円ー12万円)×20%-427,500円=348,500円

ですので、24,000円の節税効果があるということです。お気づきの方も多いと思いますが、今回はわかりやすくこのような計算をしましたが、節税金額を計算するのであれば、所得税率×生命保険料控除額で計算できます。所得税率が20%であれば、20%×12万円=24,000円が節税効果です。

3.保険の節税を用いた運用が、最も効率の良い運用手法?

保険の節税金額がわかりましたので、次は保険を運用手段としてとらえ、収益率を計算してみましょう。特に個人年金保険は、節税の恩恵を受けながら将来の生活のための資産形成を行える優れた運用方法で、節税効果次第では保険商品ながら年率10%以上の収益率が期待できる場合があります。具体的に見てみましょう。ソニー生命個人年金保険です。

www.sonylife.co.jp

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30歳男性の場合、60歳まで毎月7,026円を払い続けると、60歳以降に毎年30万円が10年間もらえます。支払総額と保険金総額を見てみましょう。

 支払総額:7,026円×12カ月×30年=約253万円

 受取総額:30万円×10年=300万円

 収益率=(受取総額÷支払総額)-1=(300万円/253万円)-1=18.6%

 年率の収益率=18.6%÷30年=0.62% ※わかりやすさ重視で割算を使用

個人年金保険の年率の運用収益率は0.62%でして、この数字だけでも銀行預金に置いておくよりはよっぽど良いことがわかります。ただし、保険商品は通常、途中解約することによるペナルティ(中途解約費用)が高いですので注意が必要です。話を戻して節税効果ですが、この個人年金保険の保険料は毎月7,026円ですので年間84,312円となり、個人年金保険料控除の払込保険料額8万円以上に該当しますので、4万円の控除が可能です。かりに所得税率が20%の場合、20%×4万円=8,000円の節税効果となります。

 節税効果:所得税率20%×控除額4万円=8,000円

 節税効果の収益率:(節税効果/払込保険料)=(8,000円/84,312円)=9.5%

 節税効果を含めた収益率:9.5%+0.62%=約10%

皆さん、もう全員がおわかりのとおり、個人年金保険は保険自体の運用収益率よりも、その節税効果による収益率の方が圧倒的に高いのです。今回のケースでは節税効果で9.5%の収益率が見込める計算となりました。いかに節税効果が大きいかをご理解いただけたかと思います。

4.まとめ

今回はおすすめの節税方法として「保険」についてご案内しました。具体的に確認したとおり、保険の節税をうまく利用することによって、年率10%以上の収益率を手にすることも難しいことではありません。私は資産運用業界で勤務していますが、保険のように低リスク商品での運用で年率10%の収益率が見込める投資対象は❝存在しない❞と言っても過言ではないと思います。一般的に保険商品自体の運用は投資信託などに比べてコストが高い場合も多く、必ずしもおすすめできるわけではありませんが、節税効果を享受できる限り、資産運用の第一歩はまず保険からと言っても間違いではないでしょう。最後までご覧いただきありがとうございました。

 

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STAM