【第19回】株式、投資信託、ラップ口座etc 口座はどこで開設すべき? -プロが教えるおすすめの販売会社を詳しく-
こんにちは、STAMです。第19回は資産運用における販売会社選びのポイントについてご説明します。
内容に入る前に、「販売会社選びのポイント!」と題したブログは多くありますが、そのほとんどがアフィリエイト目的のためネット証券ばかりの紹介となっており、真にユーザー目線で書かれたものが意外に少ないと思っています。今回のブログではその点に意識して、なるべく網羅的にご案内したいと思います。それでは始めましょう。
<今回のブログのポイント>
- 資産運用を始める際にどの販売会社で口座を開設するかは、販売会社の取扱商品と手数料とサービスを中心に考えましょう。
- ネットと対面の最大の違いは担当FA(ファイナンシャルアドバイザー)がつくかどうか。自分にとってのFAの価値を考えてみましょう。
- 最近では特定の販売会社に属さないIFA(independent FA)が台頭しつつあり、ロボ・アドバイザーという画期的サービスが開始されるなど、ユーザーの選択肢は拡大してきています。
1.口座はどこで開けばいいのか?
資産運用に興味を持たれた方が、実際に運用を始めようとして最初にぶつかる壁は口座開設でしょう。資産運用専用の口座を開設しなければ、運用を始めることはできません。ですが、この口座開設が厄介です、というのも選択肢が多すぎるからです。金融機関により取扱商品は多少異なりますが、銀行・信託銀行・証券会社・信用金庫などほとんどの金融機関で運用口座を開くことができます。これでは、正直どこで開けばいいのかわからず、雑誌や証券会社比較サイトなどを参考に決めている人が多いのではないでしょうか。
では、どのような比較において、最終的に口座を開設する金融機関を決めるべきなのでしょうか?細かいことを言いだすと尽きませんが、今回は「取扱商品」、「数料とサービス」の2つの重要なポイントに焦点をあて、解説していきたいと思います。
2.販売会社の選び方①:取扱商品
それでは、2つの重要なポイントのうち1つ目として挙げました販売会社の取扱商品を見ていきましょう。下のまとめ表をご覧ください。
ご覧いただくとお分かりのとおり、証券・銀行・信託銀行によって取扱商品が異なります。表の中で色のついているところは、そのチャネルの特徴的な部分です。預金は銀行・信託銀行のみ、株式は証券会社のみなどが挙げられます。
表のとおり、販売会社を選ぶ際は、自身の運用ニーズに合った商品の取り扱いがある会社を選ぶようにしましょう。ですが、そうは言っても取扱商品だけでは絞り切れないと思いますので、次に2つ目の重要なポイントについてご案内します。
3.販売会社の選び方②:手数料とサービス
2つ目のポイントは、手数料とサービスです。証券会社に支払う株式売買手数料は、以前は固定手数料制度でしたが(つまり手数料はどの証券会社で売買しても同一)、1999年の金融ビックバンにより株式売買手数料が完全自由化されると、ネット証券を中心に株式売買手数料は大幅に低下しました。
このような背景もあり、手数料の安さを追求するのであれば、対面の証券会社ではなく、ネット証券を選んだ方が良いと言えます。しかし、ネット証券の欠点は、担当のファイナンシャルアドバイザー(FA)がつかないことです。対面の証券会社の場合、基本的には顧客一人一人にFAがつきますので、何かわからないことなどがあれば相談できますが、ネット証券はFAのコストを削って安い手数料を実現しているため、相談先がありません。ちなみに、これは対面銀行と(上図には入れませんでしたが)ネット銀行の関係においても同様です。
ただし、「FAがいれば何でも聞けて安心!」と言うわけにもいかないかもしれません。もしかするとFAがいない方が安心かもしれません。
銀行でも証券会社でも対面の運用口座を開くとあなたに担当のFAがつきますが、その担当FAもサラリーマンです。特に証券会社では個人個人に目標数字が張られていますので、個人の収益目標を達成することが至上命題となっています。また投資信託の新商品などは個別に目標数字が置かれている場合もあり、FAは目標を達成するため、その商品を売りたくてしょうがない状態かもしれません。
もちろん純粋に顧客本位の提案をしてくれるFAは数多くいると思っていますが、万が一、悪いFAの話に乗ってしまい、本当は全くニーズのない商品を買ってしまうなんてことが無いように、心に留めておいてください。
最近では、IFA(Independent financial adviser)といい独立系FAが少しずつ根付き始めています。彼らは、特定の証券会社等には所属せず、あくまでフリーのFAとして仕事をします。特定の会社に所属しないことで、会社方針による特定商品の販売は行う必要がなく、常に顧客目線での提案が可能となります。
彼らは1社または複数のIFAビジネスを手がける証券会社(ネット証券など)と契約をすることで、それらの会社で顧客の口座を開設できるようになります。IFAビジネスを手がける証券会社は自社でFAを抱えていないケースが多く、株式や投資信託の売買による手数料収入を稼いでくる部隊が欲しいわけですので、お互いwin-winの関係ということです。ただし、IFAは大手証券会社等と比べ信頼性に欠けるため(大企業という看板が無いため)、組織(会社)としての信頼性を重視される方には不向きかもしれません。
4.商品別・ニーズ別のおすすめ販売会社
(1)株式:手数料ならネット証券、IPOなら大手証券、FAなら対面証券(IFA)で
(2)投資信託:ラインアップ・手数料ならネット証券、FAなら対面証券(IFA)
(3)債券:大手証券が優位。ネット証券も積極的に取組中。銀行は個人向け国債のみ
(4)ラップ口座:FAなら大手証券・メガ信託、手数料ならロボ・アドバイザー
(5)先物・FX:ネット証券、FX専業証券の一択
(6)預金:利率・手数料ならネット銀行、FAならメガバンク・信託
実際には、ネット証券であればオススメはネット証券No1のSBI証券、楽天利用者であれば相乗効果が大きい楽天証券です。
対面証券であれば、最大手の野村證券、大和証券でしょう。FA重視であれば、中小証券でも構いませんので、アクセスしやすい場所でいくつか口座を作り、信頼できるFAを見つけることが重要です(見つけても、数年間のうちに異動して担当が変わってしまうのが最大のネックですが)。
また、ラップ口座でご案内したロボ・アドバイザーも今後の躍進が期待されるカテゴリです。現在、立ち上がっている3社をご案内します。
お金のデザイン、WealthNavi、マネックス・セゾン・バンガード投資顧問株式会社
5.まとめ
今回は、販売会社の選び方について解説してきました。FAを活用する・しないに関わらず、重要なことは自分の運用ニーズがブレないように、事前に具体的な運用イメージをしっかりと持っておくことです。私のブログの第16回からは資産運用について書いていますが、その資産運用の初回である第16回は資産運用を始める前の心構えについて書いています。未読の方は、是非こちらに目を通してください。
次回は、株式・投資信託・債券など具体的な商品について、その特徴等の詳細を解説しています。最後までご覧いただきありがとうございました。
STAM
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