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【第15回】医療費控除やサラリーマンの特定支出控除など まだまだある!おすすめの節税方法④

みなさんこんにちは、STAMです。第15回はおすすめの節税方法の4回目として、これまでご紹介してきた「保険」「確定拠出年金」「ふるさと納税」以外の節税方法についてまとめてご紹介したいと思います。

<今回のブログのポイント>

  • 医療費控除は、家族が年間に支払った医療費から各種保険金額を除いた金額が10万円を超える場合、確定申告することにより超過金額分の所得控除が可能となります
  • サラリーマンの特定支出控除は、資格取得費や通勤費などの特定支出がその年の給与所得控除額の半分を超える場合、確定申告することにより超過金額分の所得控除が可能となります
  • 雑損控除は、納税者本人または配偶者・親族の住宅や原因などの財産が災害や盗難等により損失が生じた場合、3年間にわたり繰り越しでの所得控除が可能となります

 

1.医療費控除

医療費控除とは、年間に支払った医療費から健康保険や民間保険からの給付額を除いた金額が10万円(課税標準額が200万円未満の場合は課税標準額×5%。課税標準額とは例えばサラリーマンで給与収入のみの場合、給与収入から給与所得控除を引いた金額)を超える場合、確定申告をすることにより超過金額分の所得控除が可能です(※控除上限200万円)。たとえば、歯並びの矯正で1年間に50万円の費用がかかった場合(保険の給付金なし)、50万円ー10万円=40万円が所得控除できますので、仮に所得税率が20%だとすれば40万円×20%=8万円が確定申告により還付されます。ちなみに医療費控除は、生計を共にする配偶者やその他の親族の医療費を支払った場合にも適用できますので、たとえば遠隔地に住む両親に毎月仕送りをしており、両親の医療費を負担した場合はその医療費も合算することができます。以下は医療費控除の主な対象を列挙します。

<主な対象>

  • 医師または歯科医師による診療費、治療費(美容整形費用はNG)
  • 先進医療(※健康保険の対象外も医療費控除の対象)
  • 治療に必要な薬代(市販の風邪薬はOK、病気予防・健康促進の医薬品等はNG)
  • 治療のためのマッサージ、はり等(疲れを癒すためのマッサージ代はNG)
  • 入院費(自己都合の差額ベット代はNG)
  • 通院や入院の交通費(自家用車のガソリン代、電車等がある中でのタクシー代はNG)
  • 診療や療養目的の医療費器具の購入等(近視・乱視の眼鏡代、コンタクト代はNG)

 

2.サラリーマンの特定支出控除

サラリーマンの特定支出控除とは、資格取得費や通勤費などの特定支出がその年の給与所得控除額の半分を超える場合、確定申告することにより超過金額分の所得控除が可能となります。

(1)特定支出の対象費用

具体的な以下のとおりです。ただし、いずれも会社が必要だと認めたものに限られます。また、6~8は合計65万円が上限となります。

  1. 通勤費用(通勤費用のうち自己負担額)
  2. 引越し費用(転勤の際にかかる引越し費用のうち自己負担額)
  3. 単身赴任者の帰宅費用(居住地から自宅へ帰る際の旅費のうち自己負担額)
  4. 研修費用(業務に関わる技術等を習得するための研修費のうち自己負担額)
  5. 資格取得費用(業務に関わる資格を取得するための費用のうち自己負担額)
  6. 図書購入費用(職務に関連する図書購入費のうち自己負担額)
  7. 衣服購入費用(制服、事務服、作業服などの購入費のうち自己負担額)
  8. 交際接待費用(交際費・接待費などの費用のうち自己負担額)

(2)給与所得控除額

給与所得控除額は給与所得金額によりことなります。以下の表を参照ください。年間の特定支出合計額が該当する給与所得控除額の1/2を超えた場合、確定申告によりその超過金額分について所得控除がかのうとなります。

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(3)計算例

 収入が500万円で特定支出総額が100万円の場合、給与所得控除額は500万円×20%+54万円=154万円となり、特定支出総額が154万円÷2=77万円<特定支出総額(100万円)のため、超過分の23万円が所得控除できます。一方、特定支出総額が50万円であれば、77万円よりも低いため、節税効果はありません。このように特定支出控除はある程度まとまった支出が発生する場合は活用できる控除と言えます。

 

3.雑損控除

雑損控除は、納税者本人または配偶者・親族の住宅や原因などの財産が災害や盗難等により損失が生じた場合に一定額の所得控除が可能となります。生活に通常必要ではないものについては損失の対象外となり、控除額は以下の1・2のうち大きい方が適用されます。

  1. 損失額ー課税標準額×10%
  2. 災害関連支出額(火災の後片付け費用など)-5万円

また、所得控除で控除しきれない金額(雑損失)については、雑損失の繰越控除として翌年以降3年間にわたり繰り越して控除することが可能です。

 

4.まとめ

今回は、これまで紹介してきた以外の節税方法についていくつかご紹介しました。医療費控除などは比較的ご存知の方も多かったかと思いますが、対象となる費用・ならない費用などを併せてご確認ください。最後までご覧いただきありがとうございました。

 

※このブログはマネーライフ講座「皆さんのお金にまつわる不安を解消する」ことを目的としています。マネーライフに関するブログもたくさんエントリーしておりますので、ぜひご覧ください。

 

STAM