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【保存版】プロが教えるFX取引に重要な5つの判断材料をわかりやすく解説! その4:ボラティリティ指数

こんにちは、STAMです。今回はFX取引の際の重要な判断材料の4つ目、ボラティリティ指数についてご案内します。

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重要指標④:ボラティリティ指数 おすすめポジション:短中期ポジション

(重要指標1:IMM投機筋ポジション 重要指標2:基礎収支 重要指標3:内外金利差

 

1. ボラティリティ指数とは -恐怖指数

ボラティリティとは価格の変動幅を言います。ですので、価格の変動幅が大きくなれば「ボラティリティが高い」、価格の変動幅が小さい場合は「ボラティリティが低い」と言われます。

ボラティリティ指数とは、ボラティリティの大きさを数値として表したものであり、最も知られている指数のひとつにVIX指数(volatility index)が挙げられます。VIX指数とは、米国のシカゴ・オプション取引所(EBOE)が公表している指数で、米国の株式指数であるS&P500を対象とする取引から算出しています。そして、このVIX指数は別名「恐怖指数」と呼ばれています。なぜ恐怖指数と呼ばれるのでしょうか。

 

2.ボラティリティ指数の意味 -VIX指数が「恐怖指数」と呼ばれる理由 -

ボラティリティ指数は市場変動により上下しますが、それが示唆するものは何でしょうか。VIX指数が「恐怖指数」と呼ばれる理由はそこにあります。

ボラティリティ指数は、投資家の市場に対する先行きの不透明感の強さを表しているとされており、不透明感が強いほどボラティリティ指数は上昇(=市場の変動が大きくなる)します。具体的には、たとえば米国株式市場を対象としているVIX指数の場合、株価上昇時はVIX指数は低い水準で推移し、株価急落時にはVIX指数は上昇しますが、これは株式市場の上昇は安定的に推移することが多い一方、下落(急落)はこれまでの上昇分を一気に吐き出すような速いスピードで下落する傾向があるためです。実際にVIX指数の推移を見てみましょう。

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上のグラフは、1999年末からの米国の株式指数であるS&P500指数(青線)とVIX指数(赤線)のグラフです。赤線のVIX指数は株価(青線)が急落しているときに急激に上昇していることがわかります。一般的な目安としては、VIX指数が20を超えている場合は警戒サインと言われています。

 

3.様々なボラティリティ指数

ボラティリティ指数はVIX指数以外にも複数存在します。少し難しい話になりますが、ボラティリティ指数はオプション取引から計算されるボラティリティをもとに算出しているため、オプション取引が存在する指数が対象となることが一般的です。ここではいくつかのボラティリティ指数をご紹介します。

 

4.ボラティリティ指数と為替市場の関係 -FXへの影響-

ではFX取引においてボラティリティ指数はどのように活用すればよいのでしょうか。ポイントは重要指標3でご案内した内外短期金利差にあります。

内外短期金利差のブログでご案内しましたとおり、一般的に、投資家は金利の低い通貨で資金を調達し、金利の高い通貨で運用します。これをキャリートレードと呼びます。

市場が安定的に推移している場合は、キャリートレード投資家は運用を継続しますが、市場が急落した場合(=ボラティリティが上昇した場合)、彼らは自身の運用リスクを抑えるために急速にキャリートレードを解消します。つまり金利の高い通貨を売却して金利の低い通貨を買い戻すわけです。これが為替市場に大きな影響を及ぼします。ですので、ボラティリティが高まる局面では一般的に低金利の通貨が買われやすいということができます。代表的な通貨は円が挙げられます。円はもう10年以上にわたり世界と比べ低金利を継続していますからね。他の通貨では以前はスイスフラン、最近ではユーロなどが該当します。よくニュースで「リスク回避の円買いが進み、、、」といった言葉を耳にしますが、これはまさにこのロジックですね。

 

5.ボラティリティ指数と為替市場のチャート

それでは、最後にボラティリティ指数と為替市場の関連性を実際のチャートで確認してみましょう。確かにドル円レートはボラティリティ指数が上昇するタイミングで円高が進行していることがわかりますね。

◆ドル円ーVIX指数 長期(2005年末~直近)

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◆ドル円ーVIX、日経VI 中期(2013年末~直近)

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6.終わりに

今回はFX取引に重要な判断材料の4つ目としてボラティリティ指数を取り上げました。ここまで重要な判断材料を4つ(IMM投機筋ポジション基礎収支内外短期金利差ボラティリティ指数)をご案内してきましたが、次回が最後となります。最後は実質実効為替レートをご案内しますのでぜひご覧ください。今回も最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 STAM

 

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